はじめに
お子さまの様子を見ていて、
「大きな音をとても嫌がる」
「服のタグや素材を気にする」
「まぶしい場所が苦手」
「特定のにおいで気分が悪くなる」
「人に触られることを極端に嫌がる」
と感じたことはありませんか?
このような背景に、感覚過敏という特性が関係している場合があります。
感覚過敏とは、音・光・におい・触覚・味覚などの刺激を、人より強く感じやすい状態のことです。
この記事では、感覚過敏の特徴や子どもに見られる困りごと、家庭や支援の場でできる配慮についてわかりやすく解説します。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、日常生活の中にある音・光・におい・肌ざわりなどの刺激を、非常に強く、不快に感じやすい状態を指します。
例えば、多くの人にとっては気にならない音でも、お子さまにとっては耳をふさぎたくなるほどつらく感じることがあります。
感覚の感じ方は一人ひとり違います。
そのため、周囲からは「わがまま」「気にしすぎ」と見えてしまうこともありますが、本人にとっては本当に大きな負担になっている場合があります。
発達障害のある方への支援では、音・肌触り・室温など感覚面の調整が配慮の一つとして挙げられています。
感覚過敏で見られる主な困りごと
音への敏感さ
音に敏感なお子さまは、
- 掃除機やドライヤーの音を嫌がる
- 教室や遊び場のざわざわした音が苦手
- 急な大きな音に強く驚く
- 花火や運動会のピストル音を怖がる
といった様子が見られることがあります。
音が多い場所では疲れやすくなったり、集中しにくくなったりすることもあります。
光への敏感さ
光に敏感なお子さまは、
- 蛍光灯の光がまぶしい
- 太陽の光がつらい
- チカチカする光が苦手
- 明るい場所で落ち着かない
といった困りごとが出ることがあります。
まぶしさが強いと、頭が疲れたり、活動に集中しにくくなったりする場合もあります。
触覚への敏感さ
触覚に敏感なお子さまは、
- 服のタグや縫い目を嫌がる
- 特定の素材の服を着たがらない
- 人に触られるのが苦手
- 髪を切る、爪を切ることを嫌がる
- 手が汚れる活動を避ける
といった様子が見られることがあります。
一見するとこだわりのように見えることもありますが、本人にとっては不快感や不安につながっている場合があります。
においや味への敏感さ
においや味に敏感なお子さまは、
- 給食や食事のにおいが苦手
- 特定の食感のものを食べられない
- 歯みがき粉の味を嫌がる
- 人混みやお店のにおいで疲れる
といった困りごとが見られることがあります。
食事の好き嫌いに見える場合でも、味や食感、においへの敏感さが関係していることがあります。
感覚過敏は一人ひとり違う
感覚過敏の現れ方は、お子さまによって異なります。
同じ「音が苦手」でも、
- 大きな音が苦手
- 高い音が苦手
- 複数の音が重なるとつらい
- 急に鳴る音が苦手
など、苦手な刺激はさまざまです。
発達障害教育推進センターでも、感覚過敏は個々によって異なり、原因となる事物を把握し、可能な範囲で避けることから始めることが大切だとされています。
家庭でできる配慮
苦手な刺激を把握する
まずは、お子さまがどのような刺激を苦手としているのかを観察してみましょう。
例えば、
- どの場所で不安になりやすいか
- どんな音を嫌がるか
- どんな服を嫌がるか
- どの時間帯に疲れやすいか
を記録しておくと、困りごとの傾向が見えやすくなります。
逃げられる場所を用意する
刺激が強すぎる時に、少し落ち着ける場所があると安心しやすくなります。
家庭では、
- 静かな部屋
- 照明を落とした場所
- 好きなクッションや毛布のある場所
- 一人で休めるスペース
などを用意しておくとよいでしょう。
便利な道具を活用する
苦手な刺激を軽くするために、道具を活用する方法もあります。
例えば、
- イヤーマフ
- サングラスや帽子
- タグのない服
- 肌ざわりのよい素材
- 食べやすい食器やスプーン
などです。
厚生労働省の発達障害に関する配慮例でも、感覚過敏がある場合にはイヤーマフの活用や、視覚的な伝え方などが挙げられています。
無理に慣れさせようとしすぎない
苦手な刺激に少しずつ慣れることが必要な場面もありますが、無理に我慢させすぎると不安や疲労が強くなることがあります。
「これくらい大丈夫でしょ」と決めつけるのではなく、お子さまの様子を見ながら、安心できる方法を一緒に考えていくことが大切です。
支援の場でできること
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、お子さまの感覚特性に合わせた環境づくりを行うことができます。
例えば、
- 活動前に予定を伝える
- 音が大きい活動は事前に知らせる
- 苦手な素材や道具を無理に使わせない
- 休憩スペースを用意する
- スモールステップで活動に参加する
などです。
感覚の問題だけを見るのではなく、生活全体や本人の感じ方を含めた理解と支援が重要だとされています。
感覚過敏への接し方で大切なこと
本人のつらさを否定しない
感覚過敏は周囲から見えにくいため、「気にしすぎ」「我慢しなさい」と言われやすい困りごとです。
しかし、本人にとっては本当に強い不快感や不安を感じていることがあります。
まずは、
「この音がつらいんだね」
「この服は苦手なんだね」
「少し休もうか」
と受け止めることが大切です。
できたことを認める
苦手な刺激がある中でも、少し参加できた、伝えることができた、休憩を取れたという経験は大切です。
「自分で言えたね」
「休憩して戻れたね」
「少しだけ参加できたね」
と認めることで、お子さまの安心感や自信につながります。
まとめ
感覚過敏とは、音・光・におい・触覚・味覚などの刺激を強く感じやすい特性です。
お子さまによって苦手な刺激や困りごとは異なり、周囲からは見えにくいこともあります。
大切なのは、無理に我慢させることではなく、苦手な刺激を把握し、安心して過ごせる環境を整えることです。
家庭や学校、支援機関と連携しながら、お子さまに合った配慮を考えていきましょう。
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